2008年11月29日

修学旅行

昨夜、
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場 という劇団によるお芝居 「修学旅行」 を観ました。

修学旅行

とっても楽しいお芝居で、爆笑!爆笑!大爆笑!で、約2時間の開演時間があっという間でした。びっくり!


しかし、爆笑の裏側に込められたメッセージには深いものがあります。

以下、パンフレット裏面に書かれた 作者 畑澤聖悟氏の文を引用します。



修学旅行について
劇作家 畑澤聖悟

高校演劇には「戦争モノ」というジャンルが存在する。

反戦のメッセージ、平和への祈りを高らかに歌い上げる。このジャンルに属する作品は実に多いのだが、扱われる題材は原爆や空襲や特攻、つまり61年前の太平洋戦争に限られる。現代日本の高校生にとって平和を考えることは61年前の戦争について考えることと同義であるらしい。批判しているのではない。意義のあることだ。大事なことだ。祖父母の記憶は決して風化させてはならない。

しかし、である。

こうしている間にもレバノンでは1000人を超える市民が戦火の犠牲となり、アメリカは14万の兵をイラクに駐屯させたままである。戦争は決して振り返るだけのモノではない。

「平和とは、どこかで進行している戦争を知らずにいられる、つかの間の優雅な無知だ」

アメリカの詩人、エドナ・セントビンセント・ミレーは1940年にそう書いた。高校生に限らず、現代の日本人は現代の戦争との接点を持たない。接点がないということは共通の基盤の上にないということである。自分の問題として考えることが出来ないということである。

ならば、と考えた。

戦場や戦火に巻き込まれた町ではなく、現代日本の高校生の生活場面を使い、現代の戦争を描くことはできないか。そうすれば接点のないところに接点を作ることができるはずである。

そして書き上げたのが「修学旅行」。04年の秋のこと。ブッシュの始めた戦争がイラクを泥沼の混沌に陥れていた。あのショックが創作の原動力となったことは白状しておきたい。

「修学旅行」の舞台は沖縄の旅館の一室であり、そこで繰り広げられるのは5人の女子高生によるケンカ。そのたわいもなさを笑って頂いて結構である。しかしドタバタの中に込められたメッセージを読み取り、「どこかで進行している戦争」に思いを馳せて頂ければ、作者としてそれにまさる喜びはない。



今回沖縄では、12月1日(月)~5日(金)にかけて、県内の高校や中学校で公演されます。

一般の方が観られるのは、12月5日(金)の名護市民会館での公演だけのようです。

興味がある方は、ぜひお出掛け下さい。ニコニコ

by みーちん


同じカテゴリー(今日のおすすめ)の記事
墨彩詩画
墨彩詩画(2009-12-12 15:19)

ビューティローラー
ビューティローラー(2009-10-12 13:53)

みんなに教えたい!
みんなに教えたい!(2009-06-13 14:04)

松そばの絵画
松そばの絵画(2009-04-03 12:28)

ポップサーカス
ポップサーカス(2008-12-30 13:23)

秋のキャンプ
秋のキャンプ(2008-11-24 22:27)


Posted by おおみやこうき at 13:36│Comments(0)今日のおすすめ
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。